「入社して3年間は頑張りなさい」の次にやること
新卒入社して3年は同じ会社で頑張りなさいとはよく言うフレーズである。
人事部側の投資回収にそれだけ時間がかかるとか、
ただ単に仕事を一通り覚えることに3年かかるだとか
この言葉の背景になる考えはいくつも存在するかとは思うが、多種多様な仕事・働き方がある中で結果が定量的に3年で何かが変わるということはない。
ただ、何もかもが新鮮な新卒と違い、3年も経てば思考は停止し始めるし、
これが十年、何十年と続くとすれば恐ろしいほど考えは凝り固まってしまう。
この思考停止を避けるために3年で環境を変えるということはありなのかもしれない、
キャリアの中で思考停止には2種類あると思っている。
現状が心地よくなって、コンフォートゾーンにとどまってしまう思考停止と
恐ろしい上司・顧客や忙殺される業務から目の前しか見えなくなってしまう思考停止だ。
前者がいわゆる老害型の思考停止、
後者がブラック企業型の思考停止である。
自分はいわゆるホワイト企業に入社したが、入社後とにかく能力を身に着けたいと思い、量をこなすことが一番重要と考えた。選択的にブラック社員のように働いたわけだ。
業務の一つとしてアメリカ担当を持てたこともあり、平日は通常通り働き、帰社後は米国向けの新規開拓として調査したり、新規の売り込みの電話を行ったりした。
日本の仕事と米国の仕事のダブルワーク状態。
これの恐ろしいのは自分で能動的に選んでいたつもりが、気が付くとそれが自分のスタイルになっていること。
とにかくがむしゃらに量をこなすこと、それぞれの業務を短時間で行えるような工夫をすることで、間違いなくストレスコントロールとタイムマネジメントの能力はついた。
ただ、ストレスコントール+タイムマネジメントでできることはパワーで攻める営業だけである。
加えて、こういったパワー系営業のスタイルはおそらく30歳までは能力が上がり続けるが、そのあとは唯一の武器である、体力自体が年齢によりすり減り能力は何もなくなってしまう。おまけに頭は凝り固まってしまっている。
既に最悪なパワー系営業になりかけていたが、本当に幸運なことに思いがけないシンガポール駐在権をもらい、一旦リセットして考えるような時間ができた。
4年がむしゃらに働いたわけであるが、危険なことはがむしゃらに働くことがいつの間にか当たり前になってしまい、このやり方は期間限定であったことも忘れてしまうことだ。
3年間という数字に意味はないが、いわゆる3年間は頑張りなさい。の次は一旦思考整理をすることを念頭に置くべきだと思う。
少し出遅れたが、自分の価値と幸福度を上げ続けるための思考をこれからやっていこうと思う。